• ランニング、洋書ミステリー、ドクターのつぶやき。ちょっとはなれてあれこれ考えました。

「知ってるつもり無知の科学」

アマゾンのホームページより

 それなりに本を読んでいると、ときおり深く心に残っていろいろ考えさせてくれる本に出合います。今回はそんな一冊をご紹介します。

 海外からの翻訳書には読みにくいものも多いのですが、この本はとても読みやすかったです。人は自分が思っているよりはるかに物事を知らない、理解できていないこと。それなのに自身ではいろいろなことを知っていると錯覚しがちなことが順を追って説明されています。と同時に、現代の知識はあまりにも広く複雑です。どんなにがんばっても一人で多くのことを深く知ることは不可能なので、外の世界を利用しながら理解を深めていく必要性が説かれています。
  外の世界とは、知識を共有しているコミュニティだったり、 ネットなどの情報です。何かいいことを成し遂げるためには、仲間の力を借り、チームとして働いていくことが重要です。こう書いてみると固い本のように聞こえますが、具体的なお話を交えながら、認知科学の最前線の考え方をわかりやすく教えてくれます。

 印象的なのは、パフォーマンスが低い人ほど自己評価が高くなりがちだという「ダニング・クルーガー効果」です。何かを深く知れば知るほど、いかに自分の知識が足りないのか自覚しますから、自分の成果を過小評価しがちになります。これを読んで思い浮かべたのは「実るほど、こうべの垂るる稲穂かな」ということわざでした。自分自身の反省を込めて読みました。
 全体を通して著者の方たちのまなざしが温かく、さわやかな読後感を感じた本でした。

 

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