21世紀におこりうる核戦争の恐怖を描いた作品です。ケン・フォレットの作品はほぼすべて読んでいますが、複雑なプロットのなかに浮き上がる作中キャラの個性が生き生きと描かれていて、毎回読むのが楽しみです。
本作ではサハラ砂漠で活躍するCIA工作員、女性アメリカ大統領と中国共産党の若きホープの3名がメインキャラです。テロリストグループの資金源を断つための危険な潜入工作、立場は全く異なるものの偶発的な核戦争を避けようとしてあらゆる努力を続けるアメリカ・中国の内情が描かれていて、まさにページターナー(本を置くことができないほどおもしろい)だと思いました。
あらゆる外交努力にもかかわらず、対立陣営ともに核戦争を何とか避けようとするにもかかわらず、最後に悲劇的な結末が訪れます。この本を読んで、日本は核爆弾の削減を目指してもっと発言していくべきと思いました。地球はたった一つしかないのですから。